かんしゃくとどう向き合うか — 感情のコントロールを育てる3つの土台

投稿日 2026-06-13 ・ 更新日 2026-07-10 ・ 約4分で読めます

泣きわめく、ひっくり返る、手が出る。かんしゃくは、親をいちばん消耗させる場面のひとつです。でも感情のコントロールは、生まれつきの性格ではなく、関わりのなかで育っていく力。研究が示す「土台のつくり方」を整理しました。

かんしゃくで泣いている子どものそばで、保護者が落ち着いて寄り添っているイラスト

土台1:気持ちに「名前」をつける

リーバーマンら(2007)の研究では、自分の感情を言葉にする(「いま不安だ」と名づける)だけで、脳の興奮に関わる部分の活動が静まることが示されました。「名前をつけると、おさまる(name it to tame it)」とも言われます。

子どもがかんしゃくを起こしているときに「くやしかったね」「やりたかったんだね」と気持ちを言葉にして返すと、子どもは自分の感情を整理しやすくなります。否定せず、まず名前をつけてあげることが第一歩です。

土台2:感情を「悪いもの」にしない

ゴットマンら(1996)は、子どもの感情を受け止め、一緒に対処を考える「感情コーチング」をする親のもとで、子どもが感情をうまく扱えるように育ちやすいことを示しました。逆に、感情を「ダメなもの」として抑え込ませる関わりは、コントロールの力を育てにくいとされています。

デナムら(2003)の研究でも、幼児期に感情を理解し扱う力が高い子は、その後の対人関係や学校適応が良い傾向がありました。「泣くな」「怒るな」ではなく、「その気持ちはOK、出し方を一緒に考えよう」という姿勢が土台になります。

土台3:まず大人が落ち着く(共調整)

子どもが感情をコントロールする力は、最初は大人が「一緒に落ち着く」ことを通して育ちます(共調整=co-regulation)。マレーやローザンバルムら(2017)は、まわりの大人が穏やかに寄り添うことが、子どもの自己コントロールの発達を支えると整理しています。

かんしゃくの最中に理屈で説得しても届きにくいものです。まず大人が深呼吸して声のトーンを落とし、落ち着いてから言葉をかける。嵐が過ぎてから振り返る——この順番が、結果的に近道になります。

今日からできること

  • かんしゃくの最中は、まず「くやしかったね」と気持ちに名前をつけて返す。
  • 「泣くな・怒るな」ではなく、「気持ちはOK、出し方を一緒に考えよう」と伝える。
  • 説得より先に、まず大人が深呼吸して落ち着く。振り返りは落ち着いた後で。

参考にした研究

各研究について、日本語の解説記事と、原典(英語論文)を探せる Google Scholar 検索へのリンクを掲載しています。

関連する用語解説

関連する記事

本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。

運営: 合同会社5マイクロ

← 記事一覧へ