逆境に強い子を育てる — レジリエンスのエビデンス
投稿日 2026-06-10 ・ 更新日 2026-07-09 ・ 約4分で読めます
失敗や困難にぶつかっても立ち直れる力(レジリエンス)。これは生まれつきの性格ではなく、育つ環境のなかで伸ばせる力だと研究は示しています。家庭でできることを整理しました。

カギは「味方になる大人」の存在
ワーナーら(1993)は、ハワイで約40年にわたり子どもを追跡し、厳しい逆境のなかでもたくましく育った子たちに共通する「保護因子」を見つけました。その代表が、親でなくても「自分を信じてくれる大人が一人いること」でした。
特別な才能や環境より、ありのままの自分を受け止めてくれる存在こそが、立ち直る力の土台になります。親自身がそうなれない時期があっても、祖父母・先生・コーチなど、誰か一人がその役割を果たせます。
つらい気持ちは「言葉にして整理する」
ペネベーカー(1986)は、つらい経験を「ただ吐き出す」より、言葉にして整理するほうが心の回復につながることを示しました。
子どもが落ち込んでいるとき、無理に励ましたり原因を問い詰めたりするより、「どんな気持ちだった?」と一緒に言葉にしていく関わりが、立ち直りを助けます。
幸福も力も、日々の行動で育つ
リュボミルスキーら(2005)は、幸福の約40%は生まれつきではなく日々の行動で決まると示しました。レジリエンスも同じで、固定された才能ではありません。
ダーラックら(2011)は、感情スキルを育てる教育(SEL)が、心の安定だけでなく学力の向上にもつながったと報告しています。感情に名前をつけ、扱う練習は、家庭でも積み重ねられます。
今日からできること
- 子どもにとって「味方になる大人」が誰かいるかを意識する。
- 落ち込んでいるときは、励ます前に「どんな気持ち?」と言葉にする。
- 感情に名前をつける練習(うれしい・くやしい等)を日常に取り入れる。
参考にした研究
各研究について、日本語の解説記事と、原典(英語論文)を探せる Google Scholar 検索へのリンクを掲載しています。
- Werner, 1993(ハワイ40年追跡) / 原典を探す(Google Scholar)
- Pennebaker, 1986(感情の言語化) / 原典を探す(Google Scholar)
- Lyubomirsky, 2005(幸福と行動) / 原典を探す(Google Scholar)
- Durlak, 2011(SELと学力) / 原典を探す(Google Scholar)
関連する用語解説
本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。
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