レジリエンス
れじりえんす ・ Resilience ・ 最終更新 2026-06-11
困難や逆境にぶつかっても適応し、立ち直っていく力。生まれつきの才能ではなく、環境や関わりのなかで育つと考えられています。

レジリエンスとは
レジリエンスとは、ストレスや逆境、失敗にさらされても、それに適応して回復していく力のことです。「折れない心」というより、しなって戻る「しなやかさ」に近い概念です。
心理学者のマステンは、レジリエンスを特別な才能ではなく、ふつうの育ちのなかで働く仕組み("ordinary magic")だと表現しました。誰にでも育ちうる力なのです。
カギになる「保護因子」
ワーナーら(1993)は、ハワイで約40年にわたり子どもを追跡し、厳しい逆境でもたくましく育った子に共通する要素(保護因子)を見つけました。その代表が、「自分を信じてくれる大人が一人いること」でした。
親でなくても、祖父母・先生・コーチなど、誰か一人が安心の土台になれます。
「保護因子」「リスク因子」との違い
レジリエンスと「保護因子」は、しばしば混同されますが、同じものではありません。レジリエンスは、逆境にあっても適応し立ち直っていく「力・結果」そのものです。一方、保護因子は、そのレジリエンスを高める「条件・要因」を指します(信じてくれる大人の存在、感情を言葉にする力、安心できる環境など)。
逆に、貧困・虐待・孤立など、不適応のリスクを高める要因は「リスク因子」と呼ばれ、保護因子と対になります。子どもは、リスク因子と保護因子の綱引きのなかで育つ、と考えられています。
たとえるなら、レジリエンスはでき上がった料理(結果)、保護因子は材料や調味料(要因)、リスク因子は味を損なう要素です。だからこそ、子どもを直接「強くする」より、保護因子を一つずつ増やし、リスク因子をやわらげる関わりが現実的です。
日々の関わりで育てる
つらい気持ちを言葉にして整理する関わりや、感情スキルを育てる教育(SEL)が、立ち直る力を支えると報告されています(Durlak, 2011 ほか)。
励ましや原因の追及より、「どんな気持ちだった?」と一緒に言葉にしていくこと。その積み重ねが、しなやかさを育てます。
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参考にした研究
本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。
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