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共調整

きょうちょうせいCo-regulation ・ 最終更新 2026-08-11

子どもが自分で感情を整える力(自己調整)が育つ前に、まわりの大人が「一緒に落ち着く」ことで支える関わり。自己コントロールの土台になります。

親子が一緒に落ち着き、呼吸の波がそろっていく共調整を表したイラスト

共調整とは

共調整(co-regulation)とは、子どもがまだ自分一人では感情を立て直せないときに、まわりの大人が穏やかに寄り添い、一緒に落ち着くことで気持ちの整えを助ける関わりです。

ローザンバルムとマレー(2017)は、こうした大人の関わりが、子どもの自己コントロール(自己調整)の発達を支える土台になると整理しています。

赤ちゃんが泣いたときに抱き上げてゆらゆらする、幼児がかんしゃくを起こしたときにそばで静かに付き添う、小学生が不安で眠れない夜に背中をさすりながら話を聞く——年齢によって形は変わりますが、どれも共調整の一場面です。乳児期から思春期まで、長く続く関わりだと考えられています。

この言葉が注目される背景には、「子どもの自己コントロールは、子ども一人の努力で育つものではない」という発達研究の積み重ねがあります。感情の立て直し方は、そばにいる人の落ち着きが「うつる」ようにして学ばれていくと考えられており、親子で気持ちが伝染し合うのは自然な仕組みなのです。

自己調整への橋渡し

感情を自分で整える力(自己調整)は、最初から備わっているわけではなく、共調整の経験を何度も重ねるなかで少しずつ内側に育っていきます。「一緒に落ち着く」が、やがて「自分で落ち着く」に変わっていくイメージです。

自転車の補助輪にたとえると分かりやすいかもしれません。最初は大人が支え、慣れてきたら手を添えるだけにし、やがて見守るだけになる。感情の立て直しも同じで、支えの量を子どもの育ちに合わせて少しずつ減らしていくのが自然な流れです。

ただし、何歳までにどれだけ手を離すべきか、という決まった基準があるわけではありません。発達のペースには個人差が大きく、疲れている日や環境が変わった時期には、年齢が上がっても支えが多めに必要になります。行きつ戻りつで進むのが普通です。

まず大人が落ち着く

かんしゃくの最中に理屈で説得しても届きにくいものです。まず大人が深呼吸して声のトーンを落とし、落ち着いてから言葉をかける。リーバーマンら(2007)が示したように、気持ちに名前をつけること(「くやしかったね」)も、興奮を静める助けになります。

具体的には、しゃがんで子どもと目の高さを合わせる、ゆっくり低めの声で短く話す、「ふーっと一緒に息を吐こうか」と誘う、抱っこや背中トントンなど子どもが安心する触れ方をする——といった方法があります。どれが効くかは子どもによって違うので、落ち着いているときに「どうすると安心する?」と聞いておくのもおすすめです。

そのためにも、大人自身の余裕が大切な資源になります。睡眠を確保する、頼れる人に頼る、深呼吸や数秒の間を置くなど、自分なりの落ち着き方を持っておくこと。大人のセルフケアは、ぜいたくではなく共調整の土台です。

よくある誤解

「共調整ばかりしていると、甘やかしになって自立が遅れる」という心配は誤解です。研究の整理では、順序はむしろ逆で、十分に支えられて落ち着く経験を重ねた子ほど、自分で整える力を育てやすいと考えられています。土台のない自立を急がせるより、支えながら手を離していくほうが近道です。

また、「親はいつも冷静でなければならない」というのも現実的ではありません。大人だってイライラする日はあります。取り乱してしまったら、落ち着いてから「さっきは怒りすぎたね」と伝え直せば大丈夫です。完璧さより、「最終的には一緒に落ち着ける」という安心感の積み重ねが大切です。

「言葉で言い聞かせることが支援」という思い込みにも注意が必要です。強い感情の最中は、言葉よりも、声のトーン・表情・そばにいる気配といった非言語の関わりのほうが届きやすいとされています。説明や約束ごとの確認は、落ち着いてからで間に合います。

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参考にした研究

本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。

運営: 合同会社5マイクロ / 監修: 子育てエビデンス研究所

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