スマホ・ゲームとどう付き合うか — 「悪者探し」より大切なこと

投稿日 2026-06-10 ・ 更新日 2026-07-09 ・ 約4分で読めます

「スマホを取り上げれば解決する」とは限りません。研究は、スマホそのものの影響は思ったより小さく、使いすぎの背景にある生活リズムや孤独感のほうが重要だと示しています。「禁止」より効く視点を整理しました。

スマホを脇に置き、親子が食卓で生活リズムについて話しているイラスト

スマホ単体の影響は、意外と小さい

オーベンら(2019)の大規模研究は、スマホ使用そのものが子どもの幸福に与える影響はごく小さく、それより睡眠不足や朝食抜きのほうが影響が大きいと示しました。

アデランタド=レナウら(2019)も、学力低下と関連が強いのはスマホ全般ではなく、テレビ視聴など特定の使い方だったと報告しています。「スマホ=悪」と一括りにするより、何にどう使っているかを見ることが大切です。

ただし「長時間」は別問題

トウェンギら(2019)は、スマホなどの使用が非常に長い(目安として1日5時間以上)場合には、心の不調と関連する傾向があると報告しています。

つまり、適度な利用を過度に恐れる必要はない一方で、生活を侵食するほどの長時間化には注意が必要、というのが研究の示すバランスです。

「禁止」より「つながり」

アレクサンダーの有名な「ラットパーク」研究(1981)は、孤立した環境のネズミは薬物に依存しやすく、仲間と豊かな環境にいるネズミは依存しにくいことを示しました。

グトカインドら(2022)も、孤独感が強いほどゲームなどへの依存に向かいやすいと報告しています。スマホやゲームを取り上げるより、家庭での会話や居場所、リアルなつながりを充実させることが、結果的に最も効く対策かもしれません。

今日からできること

  • 「何時間使ったか」だけでなく「何に使っているか」を一緒に見る。
  • スマホ制限より先に、睡眠と朝食など生活リズムを整える。
  • 取り上げる前に、家庭での会話やリアルな居場所を増やす。

参考にした研究

各研究について、日本語の解説記事と、原典(英語論文)を探せる Google Scholar 検索へのリンクを掲載しています。

関連する記事

本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。

運営: 合同会社5マイクロ

← 記事一覧へ