きょうだい関係の科学 — 出生順位・やきもち・けんかの本当のところ

投稿日 2026-06-10 ・ 更新日 2026-07-09 ・ 約4分で読めます

「上の子だから」「下の子だから」とつい言ってしまう。でも研究は、出生順位が性格を決めるわけではないこと、やきもちもけんかも実は正常な反応であることを示しています。きょうだいをめぐる思い込みを、エビデンスで整理しました。

遊び場で過ごすきょうだいを保護者が穏やかに見守っているイラスト

出生順位は、性格をほとんど変えない

「長子は几帳面」「末っ子は甘え上手」——こうしたイメージは根強いですが、ローラーら(2015)の大規模研究は、出生順位が性格にほとんど影響しないことを示しました。

知能についても、クリステンセンら(2007)は上の子のIQがわずかに高い傾向を見つけましたが、その差は小さく、生まれ順そのものより「下の子に教える経験」で説明されると考えられています。生まれ順で子どもを決めつけない、というのが研究からの示唆です。

やきもち・赤ちゃん返りは、正常な反応

ヴォリングら(2002)は、親と子ども2人がいる場面で、やきもちはごく自然に起こる反応だと示しました。ハートら(2002)の研究では、生後6か月の赤ちゃんでさえ、親が他に関心を向けると嫉妬を示しています。

ダンら(1980)によれば、下の子が生まれたときの「赤ちゃん返り」も、上の子の問題ではなく、親の関わりが変わったことへの正常な反応です。叱るより、毎日30分間、「上の子と二人だけの時間」を意識的に作るほうが効果的だと思われます。

けんかには、育てる面もある

そもそも、きょうだいげんかはとても頻繁に起こります。クレイマーら(1999)が未就学の子どもたちを観察した研究では、きょうだいで一緒に遊んでいるあいだ、平均しておよそ10分に1回(1時間に約6回)のペースで衝突が起きていました。けんかが多いのは「うちのきょうだいがうまくいっていない」しるしではなく、この時期にはごく普通のことなのです。

そのうえで、ソンら(2018)は、適度なきょうだいげんかが「相手の気持ちを読む力(心の理論)」を育てる面があると示しました。

危険やいじめに発展しない範囲であれば、すべてを止めて裁こうとせず、子ども同士が折り合いをつける経験として見守ることにも意味があります。

今日からできること

  • 「お兄ちゃんだから」「下の子だから」という決めつけを、一度手放してみる。
  • 上の子と二人だけの時間を、短くてもいいので意識的に作る。
  • 危険のないけんかは、すぐ裁かずに子ども同士の解決を少し見守る。

参考にした研究

各研究について、日本語の解説記事と、原典(英語論文)を探せる Google Scholar 検索へのリンクを掲載しています。

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本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。

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