いじめにどう向き合うか — カギを握るのは「傍観者」

投稿日 2026-06-10 ・ 更新日 2026-07-09 ・ 約5分で読めます

いじめは「いじめる子」と「いじめられる子」だけの問題ではありません。研究が一貫して示すのは、周りで見ている多くの子(傍観者)の動きこそが、いじめを止めるカギだということです。家庭でできることも含めて整理しました。

不安そうな子どもに友だちが寄り添い、先生が見守っているイラスト

傍観は「中立」ではない

ソーンバーグら(2012)は、いじめを見て見ぬふりをする傍観は中立ではなく、結果としていじめを支えてしまうこと、そして傍観者が「擁護者」に変わることでいじめが止まることを示しました。

リバースら(2009)によれば、いじめを「見ていただけ」の子も、不安やトラウマを抱えやすいことが分かっています。傍観は、本人にとっても無害ではないのです。

早期対応と、孤立させないこと

オーバーマンら(2013)は、いじめが初期に放置されるほど深刻化していくことを示しました。「様子を見る」より、早い段階での大人の関与が重要です。

また、スプリッグスら(2007)は、友だちが少なく孤立した子ほど被害に遭いやすいことを示しています。子どもが安心して話せる関係や居場所を持てるよう支えることが、予防につながります。

傍観者に働きかけると、いじめは減る

フィンランドで開発されたKiVaプログラム(Karna, 2011)は、加害者・被害者だけでなく傍観者に働きかける取り組みで、科学的にいじめを減らすことに成功しました。

ヴァン・ノールデンら(2015)によれば、いじめを止める子は、相手の状況を理解する力(認知的共感)と、相手の気持ちを感じる力(情動的共感)の両方を持っていました。家庭でも、「もし自分だったら」と相手の気持ちを想像する会話が、こうした力を育てます。

今日からできること

  • 「見ているだけでもつらいよね」と、傍観する側の気持ちも受け止める。
  • いじめの兆候は「様子を見る」より早めに学校・専門機関に相談する。
  • 子どもが安心して話せる関係・居場所づくりを日頃から意識する。

参考にした研究

各研究について、日本語の解説記事と、原典(英語論文)を探せる Google Scholar 検索へのリンクを掲載しています。

関連する用語解説

本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。

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