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グリット(やり抜く力)

ぐりっとGrit ・ 最終更新 2026-08-11

長期目標に向かう情熱と粘り強さ。成果と関連するとされますが、誠実性との重なりや、努力だけを強調しすぎる危うさも指摘されています。

子どもが長い道のりを小さな一歩で進み、やり抜く力を育てる様子を表したイラスト

グリットとは

グリットは、長期的な目標に向かって関心を持ち続け、困難があっても粘り強く取り組む力として提案された概念です。「才能だけでなく、続ける力が大切」という視点を広げました。

ただし、研究では誠実性や努力の粘り強さとの重なりも指摘されています。グリットを、すべてを我慢して続ける根性論として扱わないことが大切です。

グリットは、心理学者ダックワース(Duckworth)らが2007年に提案した概念で、「情熱(関心を持ち続けること)」と「粘り強さ(努力を続けること)」の2つの側面から捉えられます。才能や知能だけでは説明できない成果の違いを理解しようとする研究の流れの中で生まれました。

研究でわかっていること

ダックワースらの研究をきっかけに、グリットは教育の分野で大きな注目を集めました。一方、Credéらによる2017年のメタ分析では、グリットと成果の関連は当初考えられていたほど大きくない可能性や、性格特性の誠実性と強く重なることが指摘されています。

つまり、グリットは「これさえ育てれば成功できる」という魔法の力ではありません。それでも、目標に向けて努力を続ける姿勢が学びを支えること自体は多くの研究と矛盾せず、日々の関わりのヒントとして活かす価値はあると考えられます。研究はまだ発展の途中であり、断定的に語られている情報には注意が必要です。

子育てでの注意点

やり抜く力は大切ですが、合わない環境で無理を続けることとは違います。休む、やり方を変える、助けを求めることも、長く続けるための力です。

子どもには「最後までやりなさい」だけでなく、「どこでつまずいた?」「次はどう試す?」と、工夫の仕方を一緒に考える関わりが役立ちます。

また、「やり抜く力が足りないから失敗した」と、結果の責任を子どもの性格だけに求めてしまうと、かえって挑戦を怖がるようになることがあります。続けられるかどうかは、課題の難易度、環境、周囲のサポートにも大きく左右されます。

家庭での例・活かし方

たとえば、習い事を「やめたい」と言い出したとき、すぐに「根性がない」と決めつけるのではなく、何がつらいのかを聞いてみます。練習が難しすぎるのか、友だち関係なのか、単に疲れているのかによって、取れる工夫は変わります。「あと1回だけやってみて決めよう」のように、小さく試してから判断する方法も役立ちます。

縄跳びや自転車の練習なら、「今日は10回だけ」「ここまでできたら終わり」と小さな区切りを決め、できた部分を具体的に言葉にして返します。「昨日より足がそろってきたね」のように、変化に気づいて伝えることが、続ける力の支えになります。

興味が移りやすいことは、幼い時期には自然な姿です。いろいろ試す中で「もっとやりたい」が見つかることも多く、最初から一つのことを長く続けさせることだけが正解ではありません。

よくある誤解

「グリット=我慢強さ」という理解は正確ではありません。合わない環境で耐え続けることは、グリットの研究が勧めていることではなく、目標ややり方を見直す柔軟さも含めて考えることが大切です。休むこと、助けを求めること、やり方を変えることは、あきらめではなく、長く続けるための立派な作戦です。

「やり抜く力は生まれつき決まっている」という見方も断定はできません。粘り強さの表れ方は、課題との相性や周囲の関わりによって変わります。子どもの今の姿だけで将来を決めつけないことが大切です。大人が「続ける工夫」を一緒に考える姿勢そのものが、子どもにとってのモデルになります。

小さく続ける

大きな目標より、まずは小さな約束を守る経験が土台になります。短い練習、途中での振り返り、できた部分の具体的な確認が、現実的な粘り強さを育てます。

「今日はここまでやる」と自分で決めて、その通りにできたという経験は、小さくても確かな自信になります。目標は子どもと一緒に決め、達成できる大きさに調整することがポイントです。

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参考にした研究

本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。

運営: 合同会社5マイクロ / 監修: 子育てエビデンス研究所

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