発達障害(神経発達症)
はったつしょうがい ・ Neurodevelopmental Disorders ・ 最終更新 2026-08-11
生まれつきの脳の働き方の特性により、発達の現れ方に凸凹(得意・不得意の差)が見られる状態の総称。現在は「神経発達症」とも呼ばれ、ASD・ADHD・限局性学習症などを含みます。
このページは特性を理解するための一般的な情報であり、診断や自己判断のためのものではありません。気になる場合は、小児科・児童精神科・発達外来や、お住まいの自治体の発達相談などの専門機関にご相談ください。

発達障害(神経発達症)とは
発達障害とは、生まれつきの脳機能の特性により、発達の現れ方に凸凹(得意・不得意の差)が見られる状態の総称です。米国の診断基準DSM-5では「神経発達症(neurodevelopmental disorders)」と総称され、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、限局性学習症(LD)、知的発達症などが含まれます。
育て方やしつけが原因で生じるものではない、と考えられています。
特性の現れ方は年齢や環境によって大きく変わり、同じ診断名でも一人ひとりの姿はさまざまです。得意・不得意の差は誰にでもありますが、その差が大きく、生活や学びに支障が出ている場合に、診断や支援の対象として考えられます。このページは一般的な情報提供であり、お子さんの状態を判断するためのものではありません。
研究でわかっていること
発達障害の研究は世界中で積み重ねられており、米国のDSM-5や世界保健機関のICD-11といった国際的な診断の枠組みも、研究の進展に合わせて見直されてきました。双子研究などから遺伝的な要因の関与が大きいことが示されており、「親の育て方が原因」という古い考え方は、現在では否定されています。
一方で、脳の働き方の違いがどのように一人ひとりの特性につながるのかは、まだ解明の途中です。診断名は「その子のすべて」を説明するラベルではなく、合った支援につながるための手がかりの一つと考えるのが現実的です。日本でも文部科学省の調査などを通じて、通常の学級にも学習や行動の面で支援を必要とする子どもがいることが知られるようになり、発達障害は特別な誰かの話ではなく、身近なテーマになっています。
「治す」より「合わせる」
特性そのものをなくすというより、環境や関わりを本人に合わせて整えることで、力を発揮しやすくなります。早めに特性を理解し、合った支援につながることが大切です。
これは「本人に努力を求めない」という意味ではありません。階段が上りにくい人にスロープを用意するように、その子に合った道具や手順を整えることで、本人の力が発揮されやすくなる、という考え方です。
家庭での例・活かし方
たとえば、朝の支度がなかなか進まないとき、「早くしなさい」と繰り返すより、支度の手順を絵や写真にして貼っておく、やることを一つずつ短く伝える、といった工夫が役立つことがあります。こうした環境の工夫は、診断の有無にかかわらず、多くの子どもの過ごしやすさにつながります。
園や学校で「集団行動が苦手」「切り替えに時間がかかる」と言われて戸惑ったときは、叱って直そうとする前に、どんな場面で・何に困っているのかを具体的にメモしておくと、専門機関に相談するときの大切な手がかりになります。
好きなことに深く集中できる、細かいところによく気づくなど、特性が強みとして表れる場面もあります。困りごとだけでなく、その子の得意や好きにも目を向けることが、日々の関わりの支えになります。
よくある誤解
「発達障害は親のしつけや愛情不足のせい」という誤解は、いまだに残っていますが、研究の積み重ねによって否定されています。保護者の方が自分を責める必要はありません。
「大人になれば自然に治る」という見方も正確ではありません。特性そのものは続くことが多い一方で、環境や関わりの工夫によって困りごとは大きく減らせると考えられています。また、「診断がつくと将来が決まってしまう」わけでもなく、診断はあくまで合った支援への入り口です。
専門機関につながる
「もしかして」と思ったら、一人で抱え込まず、小児科・児童精神科・発達外来や、自治体の発達相談へ。診断の有無にかかわらず、特性に合った関わりや支援を受けることができます。
相談したからといって、すぐに診断や治療が始まるわけではありません。まずは話を聞いてもらい、必要に応じて発達の様子を確認していく、という流れが一般的です。
参考にした研究
本記事は子育て世代向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・個別の専門的助言を 提供するものではありません。お子さんの発達・健康・心理に関する個別の判断が必要な場合は、 小児科医・心療内科医・臨床心理士・学校・自治体の相談窓口など、専門機関にご相談ください。
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